おいも屋さんのつぶやき・・・
焼き芋のキッチンカーをしているかたよせです。
明日から3日間、キッチンカーの出店をお休みすることにしました。
この先のココットとしての信頼を築くために、お客様を裏切らないために。
美味しい焼き芋を提供するにあたって、重要な要素は
・仕入れる素材 さつまいもの品質
・素材の良さを最大限に引き出す焼き方
自分は去年の夏ごろから焼き芋の焼き方を研究しだしたばかりで、まだまだな部分もたくさんあります。
あぁ今日は温度を急激に上げすぎちゃったなとか、逆に温度に対して、時間をかけすぎちゃったなとか。
ただ、素材が原因なのか、焼き方の問題なのかくらいは分かる。
今回お休みすることに決めたのは、いつも仕入れさせていただいている農家さんのさつまいもがいつもと違ったためです。
この農家さんは、自分の中では格別でした。
各地で実際に農家さんに何十軒と足を運び、実際に食べてみたりして、その中でも本当に惚れ込んだところでした。
シルクスイートの透明感がありながらも上品な舌触り。甘さのバランスも、嫌じゃない酸味も、皮の美味しさも最高でした。
プロポーズするかのように、継続的に仕入れさせていただきたいことを伝え、
これだったら自信を持ってお客さんに食べてもらえると。
100キロ、200キロと扱う量も増えてきて、
直近で仕入れた生芋をいつものように焼くと、透明感がない。
すぐに違和感に気づきました。1個 2個などでなく、どの箱も同じで。
焼き芋って素材そのままから「焼く」という一工程のみ。
砂糖を加えたり、だしを加えたり、他の要素でごまかしは効かない。
農家さんに連絡すると、畑の土の違いであるとのこと。
同じ地域、単一の農家の中でも土壌の環境が違って、出来上がりも違ってくるのだとか。
その農家さんの場合は、ざっくり2種類の土に分けられ、自分が惚れ込んだ方と、そうでない方とではかなりの差が。
そして貯蔵庫の中でも完全に分けて管理はされていないそうで、今後も完全に条件に合ったものだけを送るのは難しいとのこと。
これでは仕入れる度に賭けのようなものです。
どのさつまいもも、農家さんが愛情を込めて、手間暇をかけて育てられたもの。
自分は生産者でもなく、やっぱり作るのは農家さんがプロの仕事であり、自分には真似できない。
こんな新米キッチンカーの焼き芋屋さんにもすごく親切に、お世話になりっぱなし。
偉そうなことを言える権利はないだろうけど、自分だってもうお遊びでやっているのではない。
キッチンカーを自分ではじめてみて、
会社のような組織に属している以上に、「信頼」というものが大切に感じています。
自分が中途半端なことをしたら、すべてそれが返ってくる。
農家さんへの愛着というか、気持ちもあるし、そこでの信頼関係もあるけれど、
最後に何が大切かって、やっぱりココットの焼き芋を買いにきてくれるお客様。
「日常の小さなしあわせ」
「こころもお腹もホッ♡」
立ち寄ったら安心できる場所であり、そこでしあわせを感じられるのって、
「人」と「人」とのつながりから生まれるものももちろん、
やっぱり飲食店をしている以上、「美味しい」ものを提供することは基本中の基本なんだよね。
このまま妥協していてもスーパーの焼き芋と比べたらそりゃ負けないと思う。
でももっと焼き芋ってこんなに美味しいの!!?と衝撃を与えたい。
ここで妥協しだしたら終わりだなと。
駆け出しのときは、なにかトラブルがつきもの。
自分でできることは最大限やる。
明日から出店はお休みし、また最高のさつまいも探しの旅を再開します。